生協(コープ・COOP)宅配比較なら

市民による市民のための生協解説&リンク集

サイト内の一部のページに広告欄があります。
Some pages display advertisements.

日本の生協はどのように始まったのでしょうか!?

賀川豊彦


吉野作造



女の子イラスト賀川豊彦も、吉野作造もともにキリスト教者で、大正デモクラシーのなか、未熟な資本主義社会の中で困窮する人々を助けるために様々な社会事業に取り組んだ偉人です。生協設立にも大きく貢献しました。




戦前

日本での最初の生協は、1879年に東京で「共立商社」と「共益社」、大阪で「大阪共立商店」が誕生したことにはじまります。つづいて1880年には神戸で「神戸商業社共立商店」が誕生。当時はまだ「協同組合」という言葉はなく「協力商店」という言葉を使っていたようです。

日本で最初に生協という組織が誕生したのは1879年。元号で言うと明治12年。ちなみにNHKの朝ドラ「あさが来た」でも描かれた、大久保利通卿の暗殺が1878年のことです!


日清戦争(1894~)後

日清戦争後は労働問題や労働運動が活発に起こり、特に1898年以降に、生協の前身となる「共働店」が各地に設立されました。この共働店は、東京・横浜・仙台・札幌などに15 組織ほどが設立され、1900年には、農村部での貧農村の救済と農業の振興のための協同組合づくりを企図した「産業組合法」が制定されました。

法制定以後、官吏など俸給生活者の生協が各地に作られ、工場や鉱山等で福利厚生施設としての職域生協づくりや、大学や学校での生協づくりも進み、それらの生協のいくつかは戦後にも活動を継続することとなります。

大正デモクラシー

大正デモクラシーのもと、労働運動の高揚のなかで東京の共働社、大阪の共益社などの労働者生協がつくられ、市民型生協としては東京の家庭購買組合(1919年)、神戸消費組合、灘購買組合(ともに1921年)などが設立されました。

家庭購買組合は吉野作造が、神戸消費組合と灘購買組合は賀川豊彦が指導にあたり、社会的な注目を浴びました。両生協とも賀川豊彦の「愛と協同」の精神と指導に沿った活動を展開します。

職域生協では、明治期設立の栃木の足尾銅山三養会などに続き、熊本の水光社(1921年)など現在に継承される生協が設立されました。昭和初期には日本一の事業規模といわれた三池共愛組合(当時組合員2.3 万人、供給高372 万円)をはじめ、多くの工場、鉱山で設立が相次ぎます。




戦後

戦後の日本は、ご存知のとおり激しいインフレに見舞われましたので、1945~1949年には小売物価指数79倍、卸売物価指数は60 倍となり、物資不足に苦しむ民衆は各都市のヤミ市のヤミ価での取り引きをするようになっていました。

この敗戦後の混乱の中、賀川豊彦を中心とする日協同盟結成などにより、各地で戦争で壊滅した地域生協を再生する動きが始まりました。

東京では、1945年に「東京西部生活協同組合連合会」を発足させ、このグループが「消費組合では弱い、消費だけでなく生活全般の協同を」ということで「生活協同組合」の名称を初めて使用しました。そんな中、1948年に生協法が制定されます。

1950年代の生協運動は、日本経済が戦後復興から高度経済成長に向かう中で、地域勤労者生協など新しい動きが生まれました。またこのころには地域勤労者生協・炭鉱生協・労済生協が誕生し、学校生協・大学生協の再生、医療生協、さらに信販・住宅などさまざまな分野の生協も結成されました。

1958年には、全日本事業生活協同組合連合会(事業連)が設立されます。


高度経済成長と生協

1950 年代後半から1960 年代にかけては、消費革命や流通革命にどう対応していくかが課題となり、灘と神戸の2大生協が合併し、鶴岡生協では班組織づくりが進むなど、組織・経営の基盤づくりが取り組まれ、対応が遅れたところは経営不振に陥ることに。とくに1950 年代に各地に設立された地域勤労者生協の多くが、経営不振から解散に至ってしまいます。

その一方で、大手の職域生協や一部の学校生協、炭鉱生協では、組合員の暮らしの変化と流通近代化のなかで「地域化」にシフトしました。都市生活者の困難、公害や食品添加物問題の発生、物価の上昇などは、団地など新興住宅地での住民運動や主婦層を中心に消費者運動を高揚させ、結果的に生協の拡大をもたらすことになりました。

近代の生協

1980年代の生協運動の特徴は、生協が連帯・合併するなどして各県に拠点的生協が生まれ、さらに県域を越えての連帯が生まれたことです。各生協が意欲的に組合員拡大に取り組み、組合員規模は拡大していきます。

他方、1980年代は生協規制が強化されたために、出店が困難となりました。
店舗数は増えましたが小型店が多く、店舗の平均面積は縮小します。

その一方で、共同購入(これがいわゆる「生協の宅配」)の急速拡大が続き、10 年間で6.4 倍の規模となりました。そして現在に至ります。

便利だな、と思って何気なく加入している生協ですが(個人の感想です)、実はこんな歴史の荒波にもまれていたんですね!

ひよこの絵あなたのお住いの地域で利用できる生協一覧はこちらです!